四ツ谷大家学園 講師 油井  正光

 

《不動産業者との思い出》
今から20年以上前になる。転勤である市に暮らすことになった。数日はホテル暮らし。
数日後に賃貸物件に引っ越した。引越しは15回近くになるだろうか。慣れたものである。荷物も極僅かな、身の回り品のみ。物件を紹介してくれたのは、地元の不動産屋さん。感じのよさそうな人であった。

《仕事の付き合い》
何がきっかけだったのか覚えていないが、仕事の絡みが出て、その不動産屋さんの人と再びお会いし、結果、契約にいたった。
縁もあり、ありがたいものだと感謝していたが、数ヶ月後連絡が入り、契約を解約したいとの申し出となった。何か不手際があったのかと思い伺って話を聴くと、「付き合いで契約しただけだから、もういいよね。」なんとも情けない話なのだ。

《見下されていた》
その不動産会社の人は、実は経営者で、様々な付き合いがあり、不動産関係者は大概似たような付き合い方をしているものだといっていた。また一度の賃貸契約では儲からないからそんなものですよともいっていた。私は、この件以降、後遺症で不動産仲介を生業にしている人を信用できなくなってしまった。この時の心の傷は深かったと今も思っている。

《悩む大家さん》
時間が経過し、再び東京で仕事をすることになった。こんどこそはと思い、知り合いを通じて紹介してもらったが、やはり不動産仲介や管理会社に対する不満が出てくる。これが現実なのだと我慢するしかないのだろうか。いくら物件がよくても印象は悪くなる。大家さんも仲介会社も管理会社も同じに見えるのだから。この現実を大家さんが知ったら!!