【大家さん必読】不動産投資家が守るべき10カ条:出口戦略を考えずに投資しない(10)

──「買う前に、終わり方を考える」が成功大家の常識

不動産投資において、「どの物件を買うか」「どれくらいの利回りか」「エリアはどこが良いか」など、“入り口”の戦略にばかり目が行きがちです。確かに、購入する物件の良し悪しで収益の柱が決まることは事実。しかし、同じくらい重要でありながら、初心者大家が見落としがちなのが「出口戦略」です。

「この物件を将来どうするのか?」──この問いに明確な答えがないまま投資をスタートしてしまうと、後々、売るに売れない、相続にも不向き、利益が思ったより出ない、といった“想定外の結末”に直面することになります。

今回で最後の第10条では、出口戦略を考えることの意味と重要性、ありがちな失敗例、実際にどのような視点で「終わり方」を考えておくべきかを、実践的に掘り下げていきます。

なぜ「出口」を考える必要があるのか?

出口戦略とは、不動産投資において「最終的にその物件をどう扱うか」を決めておくことを意味します。
大きく分けると以下の3パターンに集約されます。

  1. 将来的に売却して利益を確定させる(キャピタルゲイン)
  2. 保有し続けて家賃収入を得ながら運用する(インカムゲイン)
  3. 相続・贈与などで次世代に資産を承継する(資産継承)

この“終着点”を想定しておくことで、購入時の物件選び、資金計画、法人化の有無、節税手法、リフォーム方針など、さまざまな判断がブレずに済むのです。

投資に限らず、事業全般に言えることですが、「出口が見えている人」と「見えていない人」とでは、途中の行動がまったく違います。
出口を見ていれば、ムダな設備投資や、見合わない金利の融資を避けることができる。逆に出口がないまま突き進めば、気がついた時には“身動きの取れない不動産”だけが手元に残ることになりかねません。

出口を考えなかったことで起きた“失敗の実例”

たとえば、「とにかく利回りが高い」という理由だけで、郊外の築古アパートをフルローンで購入したAさん。表面利回りは12%を超え、一見すると良い投資に見えました。しかし数年後、空室が増えて収益が下がり、売却を考えたときに気づいたのです。「こんな立地、買い手がいない……」。当初想定していた売却益どころか、売ることすらできず、ローン残債だけが重くのしかかる結果に。

また、別のBさんは、法人名義で都内の一棟マンションを購入。将来は子どもに相続させて、法人経営を引き継いでほしいと考えていました。しかし法人化したものの、役員にも株主にも子どもを入れておらず、事業承継の準備もしていませんでした。いざ相続のタイミングが来たとき、株式の扱いや税務面でトラブルになり、資産の引き継ぎに大きなコストと時間がかかる結果となってしまいました。

こうした事例に共通するのは、「買った後、どうするか」があいまいだったこと。
購入の時点で“終わり方”を描けていれば、防げたはずの失敗です。

出口戦略は「いつ」「誰に」「どう売る・残すか」を決めておくこと!

出口戦略を立てるというのは、「この物件をいつまでに、どんな状態で、誰に渡すか(売るか)」というシナリオを描いておくということです。

「築25年までは保有して、減価償却が終わったら売却」
「このエリアは長期的に人口が増えるから、インカム重視で一生保有」
「親族がこの物件に住んでいるから、最終的には子どもに相続」

このように、ざっくりでもいいので、「この物件の最終ゴールは何か?」を意識しておくことで、不要な追加投資を避けたり、税金対策を前もって取ることができたりします。

ポイントは、“購入時”に出口をイメージしておくこと。買ってから考えるのでは、選択肢が限られてしまいます。

売却型・長期保有型・承継型、それぞれの視点で備えること

仮に「将来は売却したい」という前提で投資するなら、その物件は“誰かが将来買ってくれる立地か・価格帯か・構造か”という視点でチェックする必要があります。人気エリアで再開発の見込みがあるような物件は、将来の価格上昇も期待でき、出口が比較的読みやすいといえます。

逆に、「ずっと保有して家賃収入を得続ける」方針であれば、安定した入居需要があるか、管理しやすい規模か、修繕コストを抑えられる構造かなど、ランニングコストと継続性の観点での選別が必要になります。

「資産として残したい」のであれば、評価額を抑える土地構成や、相続税対策に有利な小規模宅地等の特例が適用できるかなど、“税制上の出口”にも目を向ける必要があります。

出口を描くことは、“損を減らす”だけでなく“利益を最大化する”ことでもある

出口戦略というと、「損をしないための防衛策」と捉えられがちですが、それだけではありません。
実は、利益を最大化するための“攻めの思考”でもあるのです。

たとえば、ある物件を「〇年後に売却する」と決めていれば、その年に最も高く売れるよう、

  • 適切な時期にリフォームを入れて見栄えを整える
  • 空室率が低い状態で決算書をまとめておく
  • 仲介会社と連携して出口価格のシミュレーションを早めに出しておく

といった“売りやすくする施策”を前倒しで準備できます。
こうして出口を「自分で設計」できれば、不確実性を減らし、コントロールされた不動産経営が実現します。

【まとめ】成功する不動産投資は、「終わり方」を知っている

ここまでご紹介してきたように、不動産投資において出口戦略を考えることは、単なる保険ではありません。むしろ、“経営の中核”とも言える重要な視点です。

出口を明確に意識して投資をすることは、
・「買っていい物件か」の判断精度を高め、
・「どこまで投資していいか」の基準を明確にし、
・「いつどう売るか/残すか」の選択肢を広げる

ことにつながります。

そして何より、「自分が何のために不動産を持つのか」という本質的な問いにも向き合う機会を与えてくれます。
資産を増やすためなのか、家族に残すためなのか、収入源として働き方を変えるためなのか。
その“ゴール”によって、すべての戦略が変わってくるのです。

【大家さん必読:失敗しないための鉄則10ヶ条をふまえて】

これで、「失敗しないための鉄則10ケ条」がすべて出揃いました。
どれも単独で大切な原則ですが、本質はつながっています。

日々のキャッシュフロー管理も、修繕費の備えも、空室対策も、税金対策も……
すべては、「投資で失敗せずに、安心して、長く続けていくための準備」であり、
そして「最後にどう終えるか」という出口につながる行動なのです。

この10ケ条が、あなたの不動産経営の羅針盤となり、
10年、20年先の将来に「この道で良かった」と思える選択となるよう、
今日からひとつひとつ、実践を積み重ねていきましょう。

大家業は、知識実行バランスがすべてです。
あなたの物件が、そしてあなた自身が、末永く愛され、続けられる大家であることを願っています。

🏠✨「失敗しない10の鉄則」、どうぞあなたの大家業の“軸”としてお役立てください。