「突然の出費で冷や汗…」を防ぐ!リフォーム・修繕費は“事前準備”が鉄則!
こんにちは。大家業・不動産投資に日々励んでいる皆さん。
『大家さん必読シリーズ』第9回目。今回のテーマは、賃貸経営のリアルな悩みの一つ「修繕費」についてです。
「給湯器が壊れたって、そんなに頻繁じゃないでしょ」
「エアコンも管理会社が何とかしてくれるでしょ」
そう思っている方ほど、ある日突然、“予想外の出費”に襲われて後悔することになるかもしれません。
不動産投資は、建物を持ち続ける以上、「いつか壊れる」「いつか直す」ことが前提のビジネスです。
だからこそ、今日お伝えしたいのは、「修繕費は予想外の出費ではなく、予想しておくべき支出」という視点です。
■「突然の出費」が不動産経営を苦しめる
私の知人のベテラン大家さんが、こんな話をしてくれました。
「家賃収入は順調だったのに、築20年を超えてから、急に設備の故障が重なってね。
給湯器、エアコン、インターホン、全部一気に寿命がきて、修繕に100万円かかったよ。慌てて定期預金を崩す羽目になったよ」
そう、不動産の設備や建物には“寿命”があります。
しかも困ったことに、それは「ある日突然」やってきます。
しかも、多くは”入居中”に発生します。
つまり、「急いで直さなければいけない」「コスト交渉もできない」「他の出費と重なる」という最悪のタイミングで出費が襲ってくるのです。
■大家業は「修繕とどう付き合うか」で収益が決まる
ここで強調したいのは、修繕費は“特別なこと”ではなく、日常の一部として考えるべきものだということ。
家賃収入があるから大丈夫、という考えは短期的には通用しても、将来の修繕に備えた資金準備をしていないと、経営が不安定になります。
とくに以下のような支出は、どの大家さんにも“必ず”訪れます。
◆ よくある修繕費の一例
- 給湯器の交換:10〜20万円
- エアコンの交換:8〜15万円
- クロス・CFの貼替:1部屋で5〜15万円
- 外壁塗装・屋根防水:100〜300万円(1棟)
- 浴室・キッチン交換:30〜100万円
- インターホンや照明設備の更新:3〜10万円
これが“重なる”と、1件で50〜100万円規模の修繕費になることも…。
■「いくら積み立てておくべきか?」の目安とは?
じゃあ、いったい毎月どれくらい準備しておけば安心なのか?
一般的には、月額家賃収入の5〜10%を“修繕準備金”として積み立てるのが安全ラインと言われています。
たとえば、家賃収入が月100万円あるなら、月5万〜10万円を別口座に積み立てる。
これは、銀行口座を“運転資金用”と“修繕費用専用”に分けるだけでも良いんです。
明確に分けておくだけで、「今、使っていいお金」と「将来のために取っておくお金」の区別ができて、無意識の使いすぎも防げます。
■ 築年別「修繕カレンダー」を知っておこう
修繕のタイミングにはある程度“パターン”があります。
以下のような築年数ごとの修繕目安を覚えておくだけでも、準備の精度がぐっと上がります。
築年数 | 主な修繕内容 |
---|---|
〜10年 | 設備交換(給湯器・エアコン)、軽微な内装修繕 |
10〜15年 | 外壁塗装・屋根の防水・共用部の補修など |
15〜20年 | 水回り設備の本格的な交換(キッチン・ユニットバスなど) |
20年以上 | 給排水管・構造部の改修、大規模修繕、建て替え検討も |
ポイントは、「まとめて一気に来る」ことです。
1つの物件で、築15~18年あたりから修繕ラッシュが始まり、「この年は200万円、次の年は100万円」なんてこともザラにあります。
■「戦略的修繕」で物件価値アップを狙う
修繕=マイナスの埋め合わせ、というイメージがあるかもしれませんが、実は「修繕=投資」にもなりうるのです。
たとえばこんな工夫が考えられます:
- クロス貼り替え時にアクセントクロスでデザイン性をプラス
- 給湯器交換時に追い焚き機能を追加
- エアコンを最新省エネタイプにして「光熱費節約」を訴求
- 退去時にモニター付きインターホンを追加し防犯性をUP
こうした“プチリフォーム”を合わせて行うことで、家賃の維持や賃料アップにつながる戦略的修繕になるのです。
■ 修繕履歴と費用の“見える化”をしよう
大家さんが複数物件を管理していると、「どの物件で・どんな修繕を・いつ行ったか」が曖昧になりがちです。
そんなときこそ、以下のような“修繕履歴台帳”を表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシートなど)で管理しておくのがおすすめです(見える化する)。
修繕履歴シートに含めたい項目
- 実施日
- 修繕内容
- 修繕箇所(部屋番号など)
- 費用(税抜/税込)
- 担当業者名と連絡先
- 写真(Before/After)
これを残しておくことで、将来の売却時や保険申請時にも大きな力になりますし、「どのくらいの周期でお金がかかるか」も見えてきます。
■ まとめ:「備える」ことこそが、大家力の証明
不動産は“収益を生み続ける装置”ですが、その装置は「メンテナンスしてこそ稼ぎ続けてくれる」ものです。
どんなに良い立地でも、どんなに高利回りでも、
突発的な修繕費でキャッシュフローが狂えば、一気に経営が不安定になります。
でも逆に、日々の家賃から少しずつ準備をしていれば、
- 余裕を持って修繕に対応できる
- 質の良い業者を選べる
- 入居者に喜ばれるタイミングで修繕ができる
- 空室リスクを減らせる
- 将来的な売却でも高評価につながる
など、修繕を「ピンチ」ではなく「チャンス」に変えることも可能になるのです。
✅ 最後にひとこと
「壊れてから慌てて直す」のではなく、「壊れる前に、余裕をもって備える」ことが、本当の意味でのプロ大家の姿勢です。
今日からでも、家賃の一部を「修繕積立口座」に回してみませんか?
未来の自分を助ける“安心の準備”、きっと数年後に「やっておいてよかった」と思えるはずです。
大家業は、「お金を残す力」があってこそ続けられます。
その第一歩が、「修繕費の事前準備」なのです。
今日も、堅実で着実な大家ライフを一緒に築いていきましょう!🏠✨