(賃料・空室・更新の手当て)

繁忙期を運任せにしないための、年末の仕込み

大家さん、不動産投資家の皆さま、今年も一年、賃貸経営お疲れさまでした。
この時期は、気持ちもスケジュールも慌ただしくなりますが、年末の一手が年明けの結果を大きく左右します。
大家さん応援隊スタッフ一同、皆さまの来年の安定運用を願いながら、実務目線で紹介していきます。

賃貸経営の“勝負どころ”は、退去が確定してからではありません。
退去が出た瞬間に動くのはもちろん大事ですが、そこで初めて考え始めると、判断の選択肢が狭くなります。
年末にやるべきは、退去が出る前提で「次の一手」を型(フォーマット化)にしておくことです。

まずは、退去予兆の棚卸し
滞納・遅延の増加、設備クレームの頻発、住民トラブルの気配。
こうした“温度”は退去の前触れになりやすいです。
管理会社がいる場合でも、月次の報告や入居者の声を拾って、予兆を把握しておくと、募集準備が前倒しできます。
前倒しできると、空室期間が短くなり、コストも下がります。

次に、募集条件を「パッケージ化」します。
ここが年末の要点です。
賃料、広告条件(AD等)、フリーレントの扱い、原状回復の仕様。これを“部屋が空いてから”決めると、必ず遅れます。
対応が遅れると、空室日数が増える。増えると、焦って賃料を下げる方向に寄る。
賃料は下げるより、戻す方が難しい。だからこそ、年末のうちに「この物件はこう戦う」という基準を作っておきます。

例えば、賃料を維持するなら何で勝つのか
設備の見せ方、内見導線、募集写真、募集文の改善など。
あるいは、初期費用(敷・礼)を抑えて入口を広げる。
短期でしか決めにいく戦略として一定の条件を出す。
大切なのは、条件が“その場の空気”をブレさせないこと。
条件がブレると、広告費も内見対応もムダが増えます。

そして、見落とされやすいのが更新の前倒しです。
更新は「自然に起きるイベント」ではなく、
「日々の丁寧な対応が安定率につながる業務」です。
管理会社と常に連絡を取り合い更新案内、保証会社の更新、火災保険の確認。
これらを年末に整理しておくと、年明けの事務負荷が下がり、更新漏れや対応遅れも防げます。
更新率が上がると、賃貸経営は一気に“安定型”になります。空室対策の前に、まず更新対策。
これは地味ですが、効きます。

最後に、募集素材の更新
写真が古い、暗い、情報が少ない。募集文がテンプレのまま。これだけで反響率は落ちます。
年末に素材を整えておけば、繁忙期の初動が変わります。初動が変わると、条件を崩さず決まる確率が上がります。

今スグやること
  • 退去予兆が気になる入居者・部屋を「1件だけ」挙げてメモ(遅延/クレーム/不満など)

  • 空室が出たときの募集条件を仮決め:

    • 賃料(現状維持 or 調整)

    • AD(出す/出さない)

    • フリーレント(出す/出さない)
      ※まずは“方針”だけ決めれば十分です。

  • 更新月が近い部屋を1件だけ確認し、更新案内の準備タスクを作る(カレンダーでもメモでもOK)

次回は、今年最後にお届けする、年末年始に起きやすい設備トラブルや連絡体制、契約面の整理など、
「品質対応を上げる事前点検」についてお送りします。