法人化は「節税」より先に考えるべきこと

こんにちは、大家さん応援隊スタッフです。
7月は、賃貸経営における税金と法人化について考えていきます。
法人化という言葉を聞くと、
多くの大家さんが最初に思い浮かべるのは「節税」ではないでしょうか。
「収入が増えたら法人にした方がいい」
「法人にすれば税金が安くなる」
「そろそろ会社を作るべきかもしれない」
こうした話は、賃貸経営の場でもよく聞かれます。
ただ、法人化は節税だけで決めると、後から負担になることがあります。
今回は、法人化を考える前に確認したいことを整理します。
法人化は、単に名義を変えることではありません。
個人で持っていた不動産や収入を、
法人という別の器で管理していくことです。
そして法人化とは、
税金を抑えるためだけに会社を作ることでもありません。
不動産賃貸を個人の資産運用として見るだけでなく、
一つの事業として捉え、経営していくことです。
家賃収入をどのように残すか
修繕費をどのように準備するか
借入とどのように付き合うか
次の投資に資金をどう回すか
家族にどのように引き継ぐか
こうしたことを、個人の生活資金とは分けて考え、
事業として管理していく。
そこに、法人化を考える意味があります。
法人化をすると、税金以外にも考えることが増えます。
・資金の流れ
・借入との関係
・社会保険などの固定的な負担
・経理や申告にかかる手間
・家族との役割分担
・将来の売却や相続への影響
つまり法人化は、
税金の話である前に、
賃貸経営を事業として進めていくための判断です。
ここで一度、考えてみたいことがあります。
法人化したあと、
自分は何を実現したいのでしょうか。
たとえば
・所有物件を今後も増やしていきたい
・収益を次の投資に回したい
・家族と役割を分けながら経営したい
・将来の承継を見据えておきたい
・個人のお金と事業のお金を明確にしたい
こうした目的があるなら、
法人化は有力な選択肢になります。
一方で、目的がはっきりしないまま
「税金が安くなるらしいから」と進めると、
会社を維持するための負担ばかりが残ることもあります。
法人化を考えるときに大切なのは、
「節税できるか」だけではありません。
むしろ先に見るべきなのは、
その法人を使って、どのような賃貸経営をしたいかです。
個人のままで持ち続ける方が、分かりやすいケースもあります。
法人にすることで、資金管理や家族との役割分担がしやすくなるケースもあります。
どちらが正しいかではありません。
大切なのは、
所有物件、収入、借入、家族構成、将来の希望に合っているかどうかです。
避けたいのは、次のような進め方です。
・税率だけを見て決める
・周囲が法人化したから自分も急ぐ
・設立後の固定費や事務負担を確認しない
・個人と法人のお金を同じ感覚で扱う
法人化には、できることが増える面があります。
その一方で、管理すべきことも増えます。
だからこそ、
「法人にするか」ではなく、
法人化する目的は何かを先に明確にすることが重要です。
次の一手をひとつ。
法人化について考えている方は、
まず紙やスマホのメモに次の3つを書き出してみてください。
・法人化によって実現したいこと
・個人のままだと気になっていること
・法人化した場合に増えそうな負担
この3つを書き出すだけでも、
法人化が必要な判断なのか、
もう少し様子を見るべき判断なのかが見えてきます。
本日の一言
法人化は節税策ではなく、賃貸経営を事業として進めるための判断である。
次回は、
法人化が向く大家さんと、慎重に考えたい大家さんの違いについて見ていきます。
法人化は、早い方が良いわけでも、
遅い方が良いわけでもありません。
自分の賃貸経営に合った時期を見極めることが大切です。